Photo by alcuin lai
この記事では、Canonの標準ズームLレンズEF24-70mm F4L IS USMの情報をまとめています。
EF24-70mm F4L IS USMはこんなレンズ!
このレンズは、焦点距離24-70mm、開放F値F4通しの標準ズームレンズです。CanonのLレンズの1本です。
広角から標準・中望遠の撮影領域に加え、マクロ領域までを一本で表現できる標準ズームレンズです。
望遠端側での切り替え操作で、標準ズームレンズでありながらも本格的なマクロ撮影を可能としています。さらにマクロ撮影時特有の手ブレを補正するハイブリッドISを搭載し、最短撮影距離0.2m、最大撮影倍率0.7倍を実現しています。
また、ズーム時に発生しやすい諸収差を良好に補正する非球面レンズ2枚と、倍率色収差の発生を抑制し被写体境界部の色にじみ抑えるUDレンズ2枚を採用したことにより、ズーム全域・画面全域で高解像・高コントラストの高画質を達成。
全長93mm、質量約600gの小型軽量設計により、高画質を実現しながらも、より軽快な撮影をお楽しみいただけます。
スペックは下の表のようになります。
焦点距離 | 24-70mm | F値 | F4-22 |
---|---|---|---|
レンズ構成 | 12群 15枚 | 絞り羽根枚数 | 9枚 |
フォーカス | AF/MF | 手ぶれ補正機構 | あり(約4段分) |
最短撮影距離 | 0.38cm(マクロ時20cm) | 最大撮影倍率 | 0.21倍(マクロ時0.8倍) |
最大径x長さ | 83.4×93 mm | 重量 | 600 g |
フィルター | 77 mm | 発売日 | 2012年12月 |
こんな写真が撮れる!
Photo by Glen R90
本レンズの特徴は何と言っても簡易マクロ。ズームを望遠端に伸ばした状態でスイッチ切り替え一つでマクロレンズに切り替わります。等倍までは行きませんが0.8倍と十分な撮影倍率を達成しており、このような写真がレンズ交換をすることなく撮影できます。
Photo by Ian Southwell
もちろんLレンズだけ合って描写は折り紙つきです。このような暗いシーンでも細かい線をきちんと描き出します。
Photo by Charles Luk
この写真は三脚を使っているでしょうが、約4段分の手ぶれ補正が付いているので夜景撮影にも使えそうですね。開放絞り値がF4と暗いレンズですが、最近のデジタルカメラの高感度化によってF4でも十分戦えるようになってきました。
Photo by Toshimitsu Fujii
もう一枚マクロっぽい写真を。先述した手ぶれ補正はシフトブレにも対応したハイブリッドISなので、手持ちマクロも可能です。
海外レビューサイトの評価は…?
PHOTOZONE
Canon EF 24-70mm f/4 USM L IS – Full Format Review / Test Report – Analysis
- 歪曲はこのクラスのズームレンズとしては及第点である。24mmでは2.4%と中程度の樽型歪曲が見られるが、中間域にかけて解消し、40mmではほとんどなくなる。望遠端70mmでは0.7%程度の糸巻き型の歪曲が見られる。
- 周辺光量落ちはフルサイズ機でも比較的小さい。24mmで開放絞りでは1.9EV程度の大きな光量落ちが見られるが、40mmや70mmでは(無視して良いとは言えないが)よく抑えられている。F5.6まで絞れば40mmと70mmでの光量落ちはほとんど解消するが、24mmではF11まで絞っても0.9EV程度は残存する。
- 解像力は全ズーム領域においてかなり高い。中央の解像度は開放絞りのF4でも素晴らしく (excellent)、周辺でも非常によく (very good), 四隅も良い (good) から非常に良い (very good)の間である。F5.6からF8程度まで絞ればさらに改善する。F11以降では全てのズーム領域において回折による画質の低下が見られる。
- 像面湾曲の影響は殆ど見られない。
- 倍率色収差はよく補正されており、周辺でも0.7ピクセル程度で、全く問題ない。
- 点光源のボケはほぼ円形であるが、内部は渦巻状で、EF24-70mm F2.8L II USMよりは若干マシだがかなりうるさく感じる。F8まで絞ってもボケは円形を保っている(望遠端でのテスト)。
- ボケ味は標準ズームレンズにしてはかなりよい。前ボケはややうるさいが背景ボケはスムーズである。
- 軸上色収差は最新の「暗い」レンズでは問題にならない。F4ではやや痕跡が見られるが、F5.6では完全に消失する。
- マクロ性能は開放では描写が甘く、良いとは言えない。F8まで絞れば非常にシャープとなる。
- 絞ることによる非常に大きなフォーカスシフトが見られた。残存球面収差が補正されていない。近接撮影ではこれはかなり問題となる。(この問題は最近の個体では改善されているという補足がありました)
ePHOTOzine
Canon EF 24-70mm f/4L USM Lens Review
良い点
- 中央の画質は全ズーム領域において絞り開放から素晴らしい
- 質感が高い
- 比較的軽量
- 歪曲が小さい
悪い点
- F4通しのズームレンズにしては価格が高い
- 24mmにおける周辺領域のシャープネスが低い
このレンズに関するレビューまとめ
PHOTO YODOBASHI
[PY] フォトヨドバシ CANON EF24-70mm F4L IS USM インプレッション | photo.yodobashi.com |
最短撮影距離は38cm。マクロに切替えると20cm(最大撮影倍率0.7倍)となり、レンズ先から3cmぐらいまで寄れるので面白そうな画が狙えそうです。手ブレ対策にはハイブリッドISを搭載しているとあって実に頼もしい限り。ピタッと写し止める画は、開放からキリッとシャープで、ボケ味も大変なだらかです。さすがは「L」レンズと感心させられる写り、そして操作性に至るまでクオリティを感じずにはいられません。日常スナップから本格マクロ撮影までこなし、防塵・防滴構造という安心感もありますから、一度手にしたら簡単には手放せない存在となることでしょう。
デジカメWatch
交換レンズ実写ギャラリー:キヤノンEF 24-70mm F4 L IS USM – デジカメ Watch
開放絞り値をF4に、またテレ端を70mmまでとすることで、コンパクトなサイズにまとめられたこのレンズだが、その描写には一切妥協はみられない。開放絞りであっても中央から周辺へかけての描写は安定しており諸収差も少ない。また強めの逆光による被写体の輪郭の滲みなどもなく、安心して様々な撮影に使用することができる。
ただ、EF 24-105mm F4 L IS USMを常用していると、このレンズに持ち替えた場合はテレ端が70mmだとあと一歩分近づきたくなることがあるのも事実だ。しかし、EF 24-105mm F4 L IS USMのテレ端105mmとEF 24-70mm F4 L IS USMのテレ端70mmのそれぞれで撮影した画像を比較すると、若干ではあるがEF 24-70mm F4 L IS USMのテレ端の方が描写が優れているように思えることがある。
マップカメラ | KASYAPA
マップカメラ | KASYAPA | 105:本格マクロも大活躍の常用ズーム『EF24-70mmF4L IS 』 | Canon
今回は「EOS 5D Mark III」での撮影になりました。その小型軽量さから一見「EOS 6D」用と思われがちですが、Lレンズの名に恥じない優れた描写力と軽量ながら高級感ある質感でどのカメラにもベストマッチしします。
ボディを選ばず優れた性能を発揮する「EF24-70mm F4L IS USM」は撮影中はもちろん、撮影後の疲労感も軽くしてくれる魅力あるレンズです。
日経トレンディネット
小型ながら高画質、マクロ機能も魅力! キヤノン「EF24-70mm F4L IS」 日経トレンディネット
今回の実写がこのレンズでの初撮影だったが、仕上がりを見るとEF24-105mm F4L IS USMとは精細感がまったく違うことが分かった。画像を拡大すると、線が線としてキリッと気持ちよく描写されている。開放絞りがF4ということで、ボケ味は正直期待していなかったのだが、実写してみるとこれがなかなか良好。スナップポートレートといった用途にも使えそうだ。
何より、このレンズの特徴ともいえるのが、切り替え式のマクロモードだ。ロックスイッチをスライドしながら、ズームリングを望遠側からさらに回すと、マクロモードに切り替わる。通常で最短撮影距離は38cmだが、マクロモードでは20cmまで短縮される。この数字は撮像素子面からの距離なので、実際にはレンズ先端から約3cmまで近寄ることができるのだ。
その他ブログなど
- みずかるちゃー | 結局購入(笑)CANON「EF24-70mm F4L IS USM」を買ってみた!
- 四季彩の部屋 | キャノンEF24-70mm F4L IS USMをGET!
- n00bs | 「EF24-70mm F4L IS USM」でマクロ撮影篇:EOS 7D Mark II モニター日記-1
- 元ヒキオタニートの気まぐれ | EF24-70mm F4L IS USM 購入
- クマデジタル | EF 24-70mm f/4L IS USM 外観レビュー
- 不定期な記録 | EF 24-70mm F4 L IS USM
- アキバフォトグラフィ | EF24-70mm F2.8L II USM 購入
- b’s mono-log | Canon EF24-70mm F4L IS USM
- mono-logue | EF24-70mm F4L IS USMのマクロモード
- AREA87 | EF24-70mm F4L IS USM フィールドテスト結果
- ちぇり小屋 | EF24-70mm F4.0L IS USM とフォーカスシフト(前編)
- ちぇり小屋 | EF24-70mm F4.0L IS USM とフォーカスシフト(後編)
- マガログ | EF 24-70mm F4 L IS USMを購入した
- 浴衣の気まぐれ日記 | Canon EF24-70mm F4L IS USM 作例
- Music Box 音楽、パソコン、カメラの趣味ブログ | EF24-70mm F2.8L II USM使用感と、EF24-105mm F4L IS USMとの比較
- Beagle Cafe | EOS 7D + EF24-70mm F4L IS USM
- もっとOpenで行こうよ。 | Canon EF24-70mm f/4L IS USM [カメラ]
- Blackcomb (黒こんぶ) の日記 | Canon EOS 6D + EF24-70mm F4L IS USM
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- DAYDREAM | EOS 5D Mark III + EF24-70mm F4L IS USM
- Last Shot | 最高に潰しがきく1本!EF24-70mm F4L IS USM
このレンズとよく比較されるレンズ
本レンズはEOS 6Dとほぼ同時に発表となった比較的新しいレンズです。EOS 6DおよびEOS 5D mark IIIのキットレンズとしてはEF24-105mm F4L IS USMと本レンズの2種類が販売されているので、いざフルサイズということで一緒にキットレンズを購入しようとしたときに悩んでしまう人も多いでしょう。私がEOS 5D mark IIIを買った時にはまだ本レンズとのレンズキットはなかったので悩まなくてすみましたが、今買うならどちらがいいのでしょうか。
EF24-105mm F4L IS USMは比較的古いレンズですが、望遠端が105mmまであるのが魅力です。対する本レンズは望遠端が70mmまでしかありませんが、簡易マクロによる撮影倍率0.8倍でのマクロ撮影が可能です。手ぶれ補正もEF24-105mm F4 IS USMは約3段分であるのに対して本レンズは約4段分、しかもシフトブレにも対応したハイブリッドISです。
ただ、EF24-105mm F4L IS USMの望遠端が105mmまであるのは大変魅力です。旅行などでいろいろなシチュエーションに対応しなければならない時は心強い味方です。EF24-105mm F4L IS USMの望遠端105mmとEF24-70mm F4L IS USMの簡易マクロ、どちらが自分にとって必要かで決めるといいと思います。遠くのものを狙うことが多いなら前者、近くのものを大きく写す必要があるなら後者ですね。
また、EF24-70 F2.8L II USMは本レンズの兄貴分的存在です。値段もかなり高くなってしまいますが、開放絞りF2.8通しのレンズなのでボケを活かした撮影が可能となるでしょう。手ぶれ補正がない上に重量も200gほど重くなってしまいますが、金銭的に余裕があってかつ画質最優先という方ならきっと満足できると思います。
http://eflens.net/ef24-70mm-F2-8L-II-IS-USM
F2.8通しの標準ズームで本レンズよりも安いレンズとして、TamronのSP 24-70mm F/2.8 Di VC USDも忘れてはいけません。こちらには手ぶれ補正まで付いています。サードパーティ製ではありますが最近のレンズは描写もよく侮れないことは今更指摘するまでもないでしょう。
http://eflens.net/sp-24-70mm-f-2-8-di-vc-usd
まとめ
光学性能 | ★★★ |
---|---|
造り | ★★★★ |
AF | ★★★★ |
取り回し | ★★★ |
価格 | ★★★ |
総合評価 | ★★★ |
設計が新しいだけあって、画質だけで言えばEF24-70mm F2.8L II USMを凌ぐこともあると言われる本レンズ。開放絞りから非常にシャープな画質が得られます。倍率色収差が非常に小さく抑えられていることも周辺まで高い解像感が得られることに寄与していると思われます。広角端での周辺光量落ちはやや目立つものの、歪曲は比較的よく抑えられていて扱いやすそうです。F4通しのズームレンズですのでボケの大きさや美しさを問うのはナンセンスかもしれませんが、それでもいろいろな作例やテストを見ると悪くない印象です。
なんといっても特徴的なのは簡易マクロ機能。望遠端に伸ばしたあとでスイッチを切り替えるという一手間は必要ですが、レンズ交換するよりははるかに簡単に撮影倍率0.8倍が得られるというのは大変魅力的です。
光学性能に関してこのレンズでしばしば問題とされるのは残存球面収差によるフォーカスシフトです。フォーカスシフトというのは絞り値に寄って合焦点が異なる現象のことで、AFは開放絞りで行われるので、絞って撮影するときにはAF時と撮影時で合焦点が異なり、ピント面がずれてしまいます。これは最近の個体では改善されているそうですが、いつの個体からか、またどれくらい改善されているのかという詳しい情報はわからないので要注意ですね。
Lレンズだけ合って質感は大変よいですがコンパクトで軽量。常につけっぱなしにして持ち歩く標準ズームレンズとしては文句のない1本です。上述したようにEF24-105mm F4L IS USMとは望遠端が105mmまで必要かどうかで住み分けがされるでしょう。