Photo by Dickson
この記事では、Canonの標準ズームLレンズEF24-70mm F2.8L II USMの情報をまとめています。
EF24-70mm F2.8L II USMはこんなレンズ!
このレンズは、焦点距離24-70mm、開放F値F2.8通しの標準ズームレンズで、CanonのLレンズの1本です。
キヤノン:EF24-70mm F2.8L II USM|概要
高画質と高耐久性とを兼ね備えた、高性能大口径標準ズームレンズです。 非球面レンズ3枚とスーパーUDレンズ1枚、UDレンズ2枚を採用し、ズーム&画面全域で従来機種以上の高画質を実現。
また9枚羽根の円形絞りを採用したことにより、円形に近い美しいボケ形状にすることができます。 日常的なシーンでより幅広い表現ができるレンズです。
スペックは下の表のようになります。
焦点距離 | 24-70mm | F値 | F2.8-22 |
---|---|---|---|
レンズ構成 | 13群 18枚 | 絞り羽根枚数 | 9枚 |
フォーカス | AF/MF | 手ぶれ補正機構 | なし |
最短撮影距離 | 0.38cm | 最大撮影倍率 | 0.21倍 |
最大径x長さ | 88.5×113.0 mm | 重量 | 805 g |
フィルター | 82 mm | 発売日 | 2012年9月 |
こんな写真が撮れる!
Photo by Diriye Amey
Lレンズの中でも最高峰の描写力を誇る大三元の1本です。被写体が浮き上がるような立体感とピント面の解像感は折り紙つきで、ズームレンズであるにもかかわらず単焦点レンズにも引けを取りません。
Photo by Kenny To
パンフォーカスで撮ればこのように画面全体に渡って繊細な線を描き出します。大口径ズームレンズで気になる色収差などもよく抑えられており、殆ど見られません。
Photo by Dickson
Lレンズらしいこってりとした色乗りで、写実的というよりはアーティスティックな画が得られます。高価で重いレンズですが、光学性能に関してはほとんど文句の付け所がない、誰もが憧れる1本です。
海外レビューサイトの評価は…?
PHOTOZONE
Canon EF 24-70mm f/2.8 USM L II – Full Format Review / Test Report
- 歪曲は及第点。広角端では2.8%と比較的大きいが、ズーム領域中央にかけて解消し40mmではほとんど見られない。望遠端では糸巻き型で1.3%程度の歪曲が見られる。
- 周辺光量落ちは比較的小さい。広角端の24mmでは絞り開放で1.8EV程度の光量落ちが見られるが、40mmと70mmではよく補正されている。とはいっても絞り開放ではまだ目立つレベルである。F4まで絞れば40mmおよび70mmにおける周辺光量落ちはほとんど解消し、F5.6まで絞れば24mmでも問題なくなる。
- 解像力はかなり高い(pretty good)が素晴らしいというわけではない。しかし、旧型で問題となっていた像面湾曲の問題はかなり改善されている。解像力は24mmで最も高く、F2.8でも中央の画質は素晴らしく(outstanding)、F8まで絞るに連れて改善していく。周辺は絞り開放で非常に良い(very good)レベルで、F5.6では素晴らしい(excellent)レベルに達する。四隅は絞り開放でかなり良い(very good)レベルであるが絞ってもあまり改善しない。40mmでも同様の傾向が見られる。
- 70mmでは(24mm, 40mmと比べて)画質がかなり低下する。中央はF8で素晴らしい(excellent)レベルを保っているものの、周辺と四隅の解像は甘くなりF2.8とF4で良い(good)レベルにとどまる。F8まで絞れば非常に良い(very good)まで改善するが、24mmや40mmと比較すると全体的な画質の低下は明らかである。
- 倍率色収差はよく補正されており、最大となる広角端の絞り開放という条件でも1.2ピクセル程度に抑えられている。絞ることによりやや改善する。
- 背景の点光源は絞り開放でもほぼ円形にボケる。しかしながら、たまねぎ状に内部に複数の線が見え、少しうるさい印象である。F5.6までは円形のボケが保たれる。四隅では多少円形が崩れるが、周辺では円形を保っており、他のレンズに比べるとよく補正されている。これはおそらく前玉の半径が大きいことに起因している。
- 背景のボケはかなりスムーズで好ましいボケ味であるが、前ボケはあまり美しくない。
- 軸上色収差による色ずれは大口径レンズの宿命であるが、本レンズでは非常によく抑えられており、絞り開放でもあまり目立たず、F4以降は基本的には解消する。
ePHOTOzine
Canon EF 24-70mm f/2.8L II USM Lens Review
良い点
- 非常に質感の高い造り
- 素晴らしいシャープネス
- 比較的軽量
- 色収差が小さい
- 歪曲収差が小さい
悪い点
- 高価
- 広角端での周辺光量落ちが顕著であり、F8まで絞らないと解消しない
Digital Photography REVIEW
Canon EF 24-70mm f/2.8L II USM review: Digital Photography Review
良い点
- 素晴らしく、ほとんど欠点のない光学性能
- 高い逆光耐性
- 速く、静かで正確なAF
- 防塵防滴で質感の高い造り
悪い点
- フルサイズ機では、50mm-70mmでの絞り開放での口径食が大きい
- 近接撮影時の画質が低い
- 手ぶれ補正がない
- 非常に高価である
このレンズに関するレビューまとめ
デジカメWatch
ワイド端24mmでも周辺部の像の流れは非常に少なく、解像力も申し分ない。またテレ端70mmもキレが良く、適度なコントラストで立体感のある描写だ。また色乗りの良さも被写体に存在感を与えており、ハイライト部の滲みもなく優秀なレンズだといえる。
高品位なLレンズだけに価格も高めではあるが、価格に見合うだけの魅力を持ったレンズに仕上がっている。
マップカメラ | KASYAPA
マップカメラ | KASYAPA | 090:撮るたびに実感する高性能『EF24-70mmF2.8L II USM』 | Canon
前モデルの性能が高かったために外観以外の変化を感じづらい印象でしたが、口径の大きさや絞りバネの枚数など細かいスペックの変化によって確かに 描写性能は向上していました。防塵防滴の耐久性の向上に加え、逆光など撮りづらいシーンも安心して使える光学性能は、とても信頼がおけます。 軽量化され持ち運びやすくなったレンズは、その性能の高さから他のレンズの出番をも奪ってしまうのではと心配したくなる頼もしいレンズです。
その他ブログなど
- アキバフォトグラフィ | EF24-70mm F2.8L II USM 購入
- onimega | CanonのズームレンズEF24-70mm F2.8L II USMを買った、の巻
- みずかるちゃー | 最強標準ズーム!CANON EF24-70mm F2.8L II USM 開封レビュー!
- くるえるはてなくしょん | キヤノンのEOS 70Dと標準ズームの大三元Lレンズ EF24-70mmF2.8L II USM を試してみましたら 2ndインパクト
- Music Box 音楽、パソコン、カメラの趣味ブログ | EF24-70mm F2.8L II USM使用感 Part 3 ~画質について
- ガジェットとか購入記 | EF24-70mm F2.8L II USM購入!!!
- プナンの記憶・・ | タグ:EF24-70mm F2.8L II USM
- 太鼓屋放言2 | 標準Lズーム第二世代
- MocoLab* | Tag Archives: EF24-70mm F2.8L II USM
- Last Shot | EF24-70mm F2.8L II USM
- EXPLOSION | EF 24-70mm F2.8L II USM 簡易レビュー
- SUPER X PHOTO | Canon EF24-70mm F2.8L II USM Review(機材レビュー)
- tats@Blog | EF24-70mm F2.8L II USM テスト
- デジタル一眼レフ・初心者入門 | EF24-70mm F2.8L II USM
- 猫柳ぶろぐ | EF24-70mm F2.8L II USM
このレンズとよく比較されるレンズ
標準ズームの最高峰に位置する本レンズですが、価格も最高峰ですからそう簡単に入手できるシロモノではありません。「他のレンズを買っても結局気になってどうせ最終的には買ってしまう」と言われるほどの魅力がある本レンズです。手が届くなら多少無理してでも買ってしまったほうが最終的には安くつくし、今後は本レンズのことを気にしながら撮影を続けていかなくていいという点で精神的にも楽になれるという考えもできるでしょう。
そうはいってもやはり簡単に買えるレンズではありません。他のレンズを買うならば、本レンズと比較してどこを妥協することになるのかを知りたくなるのが人情ですよね。まず候補となるのは純正EF24-70mm F4L IS USMです。開放絞りがF4となりますが手ぶれ補正が付いてかつ軽量。簡易マクロで撮影倍率0.8倍での撮影が可能です。描写は本レンズが勝りますが、開放F値が2.8まで必要かという点で選ぶと良いと思います。
次に同じF2.8通しのズームレンズで同じ焦点距離となるTamronのSP 24-70mm F/2.8 Di VC USD (Model A007)が挙げられます。 しかもこちらには手ぶれ補正が付いています。値段もかなり抑えられているので、スペックだけを見ると本レンズを上回っています。肝心の写りも、本レンズには及ばないもののかなり高いレベルになるので、こちらと比べてみるのも有りかもしれません。
http://eflens.net/sp-24-70mm-f-2-8-di-vc-usd
とはいっても唯一無二の本レンズ。代わりになるものなどそうそうありません。財布と相談しながら作例をたくさん見て判断してみてください。
まとめ
光学性能 | ★★★★ |
---|---|
造り | ★★★★★ |
AF | ★★★★ |
取り回し | ★★ |
価格 | ★★★ |
総合評価 | ★★★★ |
安くて明るくて描写の良い単焦点標準レンズが多くあるなかで、高価な大口径標準ズームレンズを選ぶのはなかなか勇気のいる選択です。しかし、レンズ交換の手間を省いて1本だけで撮影ができる標準ズームレンズの利便性は高く、明るくて描写も良いとくれば、単焦点レンズを何本も揃えるよりも最終的には良いのかもしれません。
全ズーム領域に渡って中央のシャープネスは絞り開放から驚異的に高く、コントラストも非常に高いです。周辺領域の描写も広角端で絞り開放でも非常に高くあり、像面湾曲の影響も殆ど見られません。この傾向はズーム中央の40mm付近でも変わりません。弱点といえば望遠端70mmにおける周辺領域の画質が少し悪いことが挙げられますが、歪曲や色収差はよく補正されており、さすがLレンズといった感があります。ボケ味も申し分なし。ずっしりとした鏡筒は高級感にあふれ、USMによるAFはほぼ無音で正確です。
ただ1つの問題は、やはりその値段でしょう。上述したTamronのSP 24-70mm F/2.8 Di USD VCと比べて2倍以上の値段を出す価値はあるのでしょうか?コントラスト、質感、ボケ味については本レンズが勝りますが、Tamronは広角側でのシャープネスと望遠端での周辺画質で勝る上に手ぶれ補正が付いています。値段差を考えると、Tamronを買うのも決して悪い選択ではないように感じます。