Photo by Guigui-Lille
この記事では、Sigmaの標準ズームレンズ24-105mm F4 DG OS HSMの情報をまとめています。
24-105mm F4 DG OS HSMはこんなレンズ!
このレンズは、焦点距離24-105mm、開放F値F4通しの標準ズームレンズです。SigmaのフラッグシップシリーズであるArtラインの1本です。
デジタルカメラ高画素化にも十分に応えうる描写力。待望のフルサイズ対応高性能標準ズームレンズ。
高水準の芸術的表現を叶えるArt ライン
スペックは下の表のようになります。
焦点距離 | 24-105mm | F値 | F4-22 |
---|---|---|---|
レンズ構成 | 14群 19枚 | 絞り羽根枚数 | 9枚 |
フォーカス | AF/MF | 手ぶれ補正機構 | あり(約4段分) |
最短撮影距離 | 45cm | 最大撮影倍率 | 0.22倍(望遠端) |
最大径x長さ | 88.6×109.4 mm | 重量 | 885 g |
フィルター | 82 mm | 発売日 | 2013年11月 |
こんな写真が撮れる!
Photo by Guigui-Lille
若葉や苔のみずみずしさをしっかりと描写しています。この辺りの描写力はさすがArtライン。
Photo by Guigui-Lille
広角端24mmで撮ればこのように広く撮れます。周辺の細かい部分まで解像しているのには驚くばかりです。
Photo by Guigui-Lille
シグマのレンズらしい抜群のシャープネス。しかし以前のシグマレンズのようなバキバキ感は薄れ、品位のある美しい描写です。
Photo by Guigui-Lille
色収差もよく抑えられていて、あっさり目ではありますが自然で美しい色が得られます。
海外レビューサイトの評価は…?
PHOTOZONE
Sigma 24-105mm f/4 DG OS HSM | A (“Art”) (Canon EOS) – Review / Test Report
- 歪曲はこのクラスのレンズとしては平均的である。もっとも顕著となる広角端では極端であるとまでは言わないものの非常に大きい3.7%の歪曲が見られる。歪曲は40mmですでに糸巻き型に転じ、1%程度であるが、70mm~105mmにかけて1.7%へと増大する。これはEF24-105mm F4L IS USMと同じ程度である。
- 周辺減光は24mmで絞り開放のF4時に2EV程度であり、F8やF11まで絞っても0.9EV程度とかなり大きい。40mmではこの問題は顕著でないが、望遠端では再び増大し、F4で1.8EV程度となる。これは前玉の大きさのを考えると残念な結果だ。
- 解像力はかなり高い。中央の画質は絞り開放から(驚くべきとまではいかないが)素晴らしい (excellent)。周辺は非常に良く (very good) 、四隅も良い (good) から非常に良い (very good) の間の結果であった。24mmにおいて、四隅に設定した観測点の外側で急激な画質の低下が見られたことは指摘しておく必要がある。望遠側では中央の画質がわずかに低下するが、全体的な傾向は同じである。像面湾曲は広角端以外では全く問題ない。
- 倍率色収差による色ずれは比較的小さく、最大となる24mmで絞り開放という条件でも1.6ピクセル程度である。倍率色収差は絞れば改善するが中間域から望遠端では完全には解消しない。
- 開放では円形の玉ボケが得られるが、芯の部分にうるささが残る他、縁取りが見られる。円形のボケはF8まで保たれる(105mmでの結果)。他のレンズと同様に、周辺や四隅では口径食の影響が見られるが、これも絞れば改善する。ボケ味は標準ズームレンズとしては非常に良好である。後ボケはスムーズで、前ボケは少しだけうるさい程度である。
- 軸上色収差による色にじみはF4ですら殆ど見られず、F5.6では消失する。
- 絞ることによるフォーカスシフトが見られ、ピント位置が後ろに移動する。
LensTip.com
Sigma A 24-105 mm f/4 DG OS HSM review – Summary – Lenstip.com
良い点
- 鏡筒の質感が高く、デザインも良い。
- 中央の画質は全ズーム領域において非常に良い。
- APS-C機であれば周辺の画質も非常に良い。
- フルサイズ機でも周辺の画質は十分である。
- 軸上色収差が非常によく抑えられている。
- 望遠域での歪曲が小さい。
- 非点収差が小さい
- APS-C機であれば周辺減光は無視できる程度である。
- 手ぶれ補正の効きが良い
- AFが正確である。
悪い点
- フルサイズ機では周辺減光が顕著である
- 広角端で絞り開放付近では色収差が目立つ
- フルサイズ機では広角端付近での湾曲が顕著である
ePHOTOzine
Sigma 24-105mm f/4 DG OS HSM A Lens Review
良い点
- 全ズーム領域において素晴らしいシャープネスが得られる
- 質感が良い
- F4通しである
- 手ぶれ補正の効きが良い
悪い点
- フィルター系が82mmと大きい
- 防塵防滴ではない
このレンズに関するレビューまとめ
PHOTO YODOBASHI
[PY] フォトヨドバシ SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM -Artライン- [EF] インプレッション | photo.yodobashi.com |
24mmスタートで使い出に富む焦点域をカバーしつつ、F4通しで手ブレ補正機構を実装。高感度特性の向上著しい昨今のデジタルカメラにマウントするレンズとしては、F2.8通しほどかさばらず、外ロケや日常使用にはうってつけの1本でしょう。シグマのリリースを読めば構成するエレメントも豪華三昧。
F4通しというのは、よい落としどころだと思うのです。機能に基づいて決まっていくデザインというよりは、「こんなデザインにしたい」という想いが際立った鏡筒のルックスも所有欲を満たしてくれます。使い込む1本としていかがでしょうか。
デジカメWatch
交換レンズレビュー:SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM – デジカメ Watch
24-105mmの標準ズームレンズは、その画角の幅からとてもオールマイティに扱える便利なレンズだ。カメラメーカーからも純正レンズとして発売されており、その人気も評価も高い。
そこにあえて参戦してきたシグマだが、単に人気のラインナップであるということ以上の性能を投入してきたのは流石だ。もちろん純正レンズは独自の画像処理が可能であったりカメラとのマッチングが事前に試されていたりなど利点も多い。
しかしそれを念頭においたうえでも、このレンズは積極的に選びたくなるほどの仕上がりとなっている。重いだけの価値がある、そんな1本だ。
マップカメラ | KASYAPA
マップカメラ | KASYAPA | 169:常用レンズにこそ、この性能を『SIGMA 24-105mm F4』 | SIGMA
テレ端105mmでの描写をご覧頂きたい。開放F4で完全な逆光状態。この季節の西日は角度も低く、レンズにとっては厳しい条件だが水しぶきの1粒1粒まで見事に描ききっている。ゴーストやフレアも無く、輝度差が激しい条件ながらパープルフリンジも殆ど見られず、収差の補正も高い水準なのだろう。『Art』ラインの名に恥じない完成度をうかがわせる。
少々大柄なレンズである。特にその前玉の大きさは目を引くが、ボディに着けるとしっかりとしたラバーズームリングはグリップが良く、ボディと一体感のある仕上がりが実に魅力的だ。外装の仕上げは他のArtラインレンズと同様しっかりとしたものであり、ズームリングの滑らかな作動感とあいまって高級感を感じさせる。AFでピントを合わせた後にピント位置を微調整出来るフルタイムマニュアル機能も備えるなど、使い勝手にはしっかりと配慮された完成度の高い仕上がりだ。
日経トレンディネット
メーカー純正品よりも写りは上質! シグマ「24-105mm F4 DG OS HSM」 日経トレンディネット
直接比較したわけではないし、レンズ開発の技術は日進月歩なので当然かもしれないが、キヤノンやニコンが発売している同クラスのレンズよりも格段に写りは上質だと感じた。
ボケ味もきれいだし、それでいてシャープで繊細。ズームの広角から望遠、画面の中心から周辺、それぞれで描写性能が大きく違うということもない。いや、むしろ周辺の画質などはすばらしいくらいだ。
ITmedia デジカメプラス
交換レンズ百景:撮る喜びを体感できるフルサイズ対応 万能ズーム――シグマ「SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM」 – ITmedia デジカメプラス
何よりもレンズのデザインがクールだ。82ミリの大口径は迫力がある。シグマが提案する3つの新しいプロダクト・ラインの「Art」に属するこのレンズは、ほれぼれするほど「モノ」としての質感が高い。ボディに装着してそのデザインを眺めているだけで楽しくなってくるほどである。
もちろん光学性能も高い。開放からシャープな切れ味を見せ、あらゆる収差を押さえ込んだ設計は、常用標準ズームレンズとしてあらゆる被写体に対応できるはずだ。
金属外装のクールな感触や、やや重めなものの遊びがないズーミング感、不用意に動かないAF/MF切替およびOS(手ブレ補正機能)のON/OFFスイッチ類など、上質で硬派な写真を撮る喜びを体感できることだろう。
アサヒカメラ.net
試用レポート シグマ 24〜105mmF4 DG OS HSM 〈アサヒカメラ〉 -朝日新聞出版|dot.(ドット)
描写は純正レンズに真っ向勝負を挑んだ気概が感じられ、絞りや焦点域による性能変化もない。絞り設定は描写に影響しないが、広角域では若干、周辺光量が落ちる。ただし焼き込んだ程度の品のよいものなので問題はない。歪曲収差もよく補正されているので建築物をはじめ商品や静物撮影にも向いている。非常に優秀なレンズだ。
その他ブログなど
- otaka log | SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM②
- -お写ん歩- | 等持院 さつき 2014 / SIGMA 35mm F1.4 DG HSM ArtLine with Canon EOS 5DMarkⅢ
- Rise’s Photo Gallery… | -SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM レビュー@ポートレート編-
- RYOの気ままになんでもブログ | 【撮影機材】24-105mm F4 DG OS HSMを購入
- DAILY DESIGN | SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM
このレンズとよく比較されるレンズ
本レンズは、キヤノンのフルサイズ機のキットレンズとして広く普及しているEF24-105mm F4L IS USMと同じスペックを有し、この標準ズームレンズにシグマが正面からぶつけてきたレンズです。したがって、本レンズと直接比較されるレンズとして最初に挙げるべきなのはこのEF24-105mm F4L IS USMでしょう。
本レンズはArtライン、キヤノン純正はLレンズということでどちらも画質にこだわったレンズですが、本レンズのほうが後発である分設計が新しく、得られる画質はやや上であるという評価がされています。しかしながら、画質差はそれほど大きいわけではなく、本レンズのほうが200g以上重いという点を考えると、その画質差を重量差に見合うものであると考えるかどうかが選択のポイントとなるでしょう。
また2014年11月に発売された非Lの標準ズームレンズEF24-105mm F3.5-5.6 IS STMとも焦点距離が一致しています。こちらはLレンズよりも更に150g近く軽量化されており、望遠端での開放F値は5.6と暗いものの広角端では3.5とLレンズよりも明るくなる点も特徴的です。非Lながら設計の新しさから画質はEF24-105mm F4L IS USMに匹敵すると評価されており、さらに軽く持ち運びやすい便利な標準ズームレンズをお探しの場合にはこちらも選択肢に上がってくるでしょう。
まとめ
光学性能 | ★★★★ |
---|---|
造り | ★★★★ |
AF | ★★★ |
取り回し | ★★ |
価格 | ★★★★ |
総合評価 | ★★★★ |
Artラインの1本として、キヤノンLレンズ (EF24-105mm F4L IS USM) に真っ向からぶつかってきた本レンズですが、こちらの方が全ての点において上であるとは必ずしも言い切れないところが悩ましいところですね。
本レンズの強みは、ズーム全域において中央の素晴らしい解像力にあります。周辺と四隅はそれほど良くはありませんがそれでも十分なレベル。EF24-105mm F4L IS USMで問題となっている広角端での歪曲と周辺光量落ちは本レンズでも顕著ですが、EF24-105mm F4L IS USMよりは小さく抑えられています。色収差はArtラインにふさわしくよく抑えられていて、ボケ味も良好。AFも純正Lレンズに劣らず速く静かです。手ぶれ補正に関してはEF24-105mm F4L IS USMの約3段分に対して4段分と優っています。
デザインも高品位で所有欲を満たしてくれるものですが、防塵防滴ではない点がEF24-105mm F4L IS USMに劣っています。最大の違いは、上でも触れましたが本レンズのほうが200g以上も重たく、サイズも大きいという点にあります。
このように長所と短所がありますが、以前までは安かろう悪かろうだったサードパーティ製のレンズが、こうして純正のLレンズと正面から戦えるようになってきたということは大変歓迎すべき風潮だと思います。ただ、本気でキヤノンと戦うなら、キットレンズとして本体と同時に入手するときのEF24-105mm F4L IS USMの価格(約7万円)よりも安くする必要がありますよね。レンズキットではなく本体のみでカメラを買って、標準ズームレンズはSigmaで、という選択が一般的になってくると面白いのですが。どんどん競争してよりよいレンズがより安価に手に入るようになるとうれしいですね。